永住許可申請の審査傾向
「永住者」の在留資格を付与は、入管申請からはめでたく卒業を意味します。
そのため、例年、永住許可申請の件数は非常に多いのですが、それに反比例する形で許可件数は少なくなっています。
永住許可申請の要件を満たすには、結婚ビザで3年、就労ビザで10年の滞在が必要になりますが、何もトラブルなくそれだけの年数を過ごしてきた人は、かなり稀なのではないでしょうか?
日本滞在中に、転職や離婚など、いろんな出来事があったはずです。
そして、昔は、滞在中の小さなトラブルには、ある程度、目をつぶってきたところがありました。
そのため、外国人の間で「永住申請は非常に簡単」という噂が流れているのも事実です。
しかし、近頃の永住許可申請は変わりました。
はっきり言って、あらゆる申請の中で最難関の部類に入ってきたといっても過言ではありません。
しかし、冷静に考えてみると、むしろ当たり前です。
外国人に日本に永住に滞在しても良い権利を与えるのですから、慎重になって当然なのです。
永住許可申請のポイント
永住許可申請のポイントは、「不利なことも隠さずに正直に申請し、それをカバーする立証をする」という点につきます。
永住許可申請の不許可理由として典型的な事例が、過去のトラブルを入管が把握しているのに、申請書類でその点に言及せず、素行要件を満たさず不許可というケースです。
入管には日々、あらゆる情報が入っていますし、調べようと思えば、関係各省庁の協力を得て、どこまででも調査することができます。
忘れてはいけません。
入国管理局は捜査機関でもあるのです。
また、永住許可申請は一度不許可になってしまうとリカバリーが難しい申請です。
それは当然です。
なぜなら、入国管理局としては、別に無理に永住許可を出す必要はないからです。
永住許可は、その性格上、日本に滞在するのに必須な許可というわけではありません。
ちょっと素行の悪そうな外国人に対して、無理に許可してやることもありません。
結論として、永住許可申請は、来日してからの滞在歴を出来る限りクリアーに示して、日本に永住するに当たり、問題がないと完全に立証することが重要になります。
永住許可申請は外国人の方にとって、入管に対する最後の申請です。
最後の最後でまごつかないようにするためにも、専門家に任せる意義があると言えます。
代表の一口メモ
永住許可申請は、今までの日本での滞在歴を総合的に評価して結果が出されます。そのため、行政書士のような専門家の影響力が一番及びにくい分野でもあります。なぜなら、申請人の方が日本で行った過去の事実は変えようがないからです。
永住許可の審査では、日本での犯罪歴がない事はもちろん、健康保険料・年金保険料・住民税などをきちんと納付してきたかといった社会的義務を適切に履行してきたか否かも評価の対象になります。申請時点で滞納があったり、今まで滞納してきた社会保険料や税金を申請直前にまとめて納付したといった行為もNGです。
当事務所では許可可能性がない永住許可申請はお引き受けしない方針を取っています。そのような申請は、申請人ご本人、入国管理局、当事務所の3者にとって何の利益ももたらさないからです。
「自分は許可可能性があるのかどうか」を悩んでいらっしゃる方は、是非、一度、ご相談にいらしてください。